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【雑談】【かつては大ブーム】総合格闘技の衰退を今だから考察してみる【どこいった?】

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 かつて10年ほど前に日本では総合格闘技ブームというのが起こった。私もDVDを勝ったり、道場で習ったりして相当ハマった方なのだが、今や民放が放送しなくなり、世間一般が総合格闘技を見る事は滅多にありません。

 さて、何故このような衰退が起こってしまったのか?それを分析してみたいと思います。

 

<競技レベルが低い問題>

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  まず、総合格闘技はスポーツです。競技です。野球やサッカー、ボクシング、バレーボール、他のオリンピック競技、何かと同じくくりです。また、これらスポーツの中でも人気に差があります。テレビの視聴率でみると、野球、サッカーが特に視聴率が高いです。ボクシングやバレーボール、オリンピック競技なんかは高視聴率ですが、年に何回かしかないのも見る側の期待が大きいのが理由でしょう。

 総合格闘技の衰退の原因においてこれは非常に大きいです。ここにはかつてフジテレビの強力バックアップを無くしてほぼテレビ放映を打ち切られたPRIDEの影響が大きいです。フジテレビとPRIDEの関係ついてはいろんなところで語られてきているので、ここでは割愛します。

 私はテレビ放映の影響以外にも理由はあると思います。それは、総合格闘技の競技化です。最初に総合格闘技は競技だと言っておきながら、何の事と思ってしまうかもしれませんが、つまりは人気があった頃の総合格闘技はまだ高いレベルでの競技ではなかったんです。

 

 <隆盛を極めたPRIDEというイベント>

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 PRIDEの全盛期には桜庭和志対グレイシー一族や、吉田秀彦対グレイシー一族といったグレイシー一族絡みの時代を超えたロマン溢れるドラマがそこにあったのだが、それ故に世間一般の方々も十分に楽しめたんです。

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 結局、この対グレイシー一族のストーリーも大ボスのヒクソン・グレイシーが試合に出ない、などいろいろな要因から気づけばすっかりなくなってしまいました。まぁグレイシー絡み以外にも、相撲幻想とか、小川幻想とか、対K-1抗争なんかもあったんですが、これらもやはり競技レベルでいうと非常に低かったんです。それでも低いが故に、試合自体にも手探りな荒さがあって見てるこっちを非常に興奮させてくれました。競技性の低い総合格闘技を例えるなら素人の喧嘩に近く、いつ、どのような状態からどんな大逆転が生まれるかわからなったんです。高校野球の試合が面白いのにも少し近いと思います。

 しかし、最近では一気に競技化が加速してしまい、競技として安全に勝つポジションや戦略が発達し、見ている側もまたそれを知ってしまっている。という事態になっているんです。すでに楽しむポイントが変わってきてしまっているんですね。ガードポジションから点数稼ぎのパウンドをコツコツ打たれると、こっちはもう眠くなってしまいます。このような場面は総合格闘技の試合の3割近くを占めます。かつては同じようなパウンドでもでもドキドキして見ていたのですが、最近は見る側も、「ここからはたいして何も起きないな」、と分かってしまっているんです。

 スタンドでの打撃にしても、K-1レベルならまだしも、殆どの選手がK-1以下ですし、接近戦でボクシングになってもボクシングの世界タイトル戦を見慣れてるこちらからすると、スピードもなく弱々しく見えます。総合格闘技の選手は立ち技、寝技の両方を学ばなければいけないので、これは仕方ないのですが、見る側にそう感じさせているのは事実です。

 

<選手のギャラがメジャー度を測る>

 アメリカのUFCが今総合格闘技の先頭を独走牽引中ですが、アメリカの他のメジャースポーツと比べてしまうと、全然まだまだですし、これからもUFCがメジャースポーツになるような逆転現象は考えづらいです。

 選手の年間のギャラで見てみると、

野球メジャーリーグでは、ヤンキースのA・ロッドが27億円

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アメフトの最高年俸では、レイブンズのジョー・フラッコが18億円

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ボクシング1試合の最高ファイトマネーは、マニー・パッキャオが30億円(なんと1試合!)

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さて総合格闘技最高峰のUFCはというと、

UFCで10度防衛したアンデウソン・シウバが6000万円

噂になったヒョードルの史上最高額でさえ3億です。パッキャオの1/10です。

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それぞれ事情はいろいろとありますが、プロの競技者としては試合のパフォーマンスの対価は金です。

これだけ差があれば、これから未来に羽ばたく幼いアスリート達も、野球やボクシングを選んでも仕方ないです。また、UFCではファイトマネーが安すぎるというクレームも選手側から挙がっていて問題になっているくらいです。

 

結論、総合格闘技は見る競技として、それほど素晴らしい競技ではない、ということです。

 

<最後に>

 かつて紀元前のギリシャで今の総合格闘技の原型となる「パンクラチオン」が盛り上がったそうですが、それを見た哲学者のプラトンが「パンクラチオンとは不完全なレスリングと不完全なボクシングがひとつになった競技である」と著書に書いたそうです。

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